どうも、にゅーすばんくです。
最近の若者はCDを買わなければ借りることもなく、音楽はスマホアプリで無料で聴くのが当たり前となっているようです。
もちろんSpotify・LINE MUSICなど音楽配信サービスの無料プランであれば問題はありませんが、ストアには無料で聴き放題と書かれたアプリが数多く存在します。
中には明らかに怪しいアプリも多いのですが、無料で音楽が聴けるミュージックアプリは違法なのでしょうか?
さらに、違法のミュージックアプリを使っているユーザー側も違法になるのでしょうか?それとも合法なのでしょうか?
知らなかったでは手遅れになる可能性もある大切な話なので、この記事では無料で音楽が聴けるミュージックアプリの違法性・合法性というテーマについて、僕なりに調べて分かったことについて書いていきたいと思います。
この記事は2020年10月の改正著作権法を反映した情報となっています
目次
無料ミュージックアプリは4つのタイプに分類
まず始めに前知識として知っていて欲しいのですが、こうした無料のミュージックアプリには大きくわけて4つのタイプが存在します。
それが「サブスク系アプリ」「YouTube系アプリ」「完全違法系アプリ」「ファイルダウンロード系アプリ」の2つです。
- サブスク系ミュージックアプリ
- YouTube系ミュージックアプリ
- 完全違法系ミュージックアプリ
- ファイル系ミュージックアプリ
サブスク系ミュージックアプリとは
「サブスク系ミュージックアプリ」とはSpotifyやLINE MUSICなどに代表される音楽配信サービスで、サブスクリプションと言われる月額課金制で聴くことができるアプリたちです。
多くのサブスク系ミュージックアプリには無料プランが用意されており、シャッフルができない・特定の曲を指定できない等制限はあるものの、無料でもフルで聴くことができます。
ちなみにサブスク系ミュージックアプリも色々とありますが、人気のサービスとしては以下のようなアプリがあります。
- Spotify
- LINE MUSIC
- AWA
- Amazon Music
- YouTube Music
- Apple Music
YouTube系ミュージックアプリとは
「YouTube系ミュージックアプリ」とは、YouTubeに投稿されている音楽動画からリンクしているミュージックアプリです。
YouTubeには数多くのミュージック動画が投稿されていますが、YouTubeに投稿されている動画とリンクすることで無料で音楽が聴くことができるという仕組みです。
YouTube系アプリではYouTubeの動画をダウンロードできる機能や、バックグラウンド再生など、YouTubeのデフォルトのアプリではできない機能を搭載しているものも多いです。
このYouTube系ミュージックアプリの違法性・合法性については後ほど詳しく解説しますが、明らかに怪しい匂いはぷんぷんしますよね・・・。
ちなみにYouTube系ミュージックアプリはApp storeにもたくさんありますが、ランキング上位にいる人気どころとしては以下のようなアプリです。
- LIST Z
- Mixer Box
- Music Tuber
完全違法系ミュージックアプリとは
「完全違法系ミュージックアプリ」とは、違法アップロードされた動画にリンクしているミュージックアプリです。
これは名前の通り完全に違法です。後ほど詳しく解説しますが、違法アップロードを行っている人はもちろんのこと、その動画をリンクしてミュージックアプリとして提供する側も違法にあたります。
この完全違法系アプリの代名詞とも言えるミュージックアプリが、「ミュージックFM」という名の違法音楽アプリです。
何年か前に中高生を中心にかなり流行ったので、もしかするとミュージックFMを使っていたという方も多いかもしれません。
依然と比べるとアプリの審査もかなり厳しくなったので、ミュージックFMなどの完全違法系アプリをストアで見かけることは少なくなりました。
ただ今でも探せば完全違法系アプリはありますし、本家のミュージックFMもApp Storeから消えたり復活したりを繰り返しています。
ちなみにミュージックFMを代表とする完全違法系アプリには、以下のようなアプリがあります。
- Music FM
- Music Box
- Music RFM
ファイル系ミュージックアプリとは
「ファイル系ミュージックアプリ」とは、音楽に限らずオフィスファイルや動画など様々なファイルを保存できるアプリです。
昔では「Clipbox」というアプリがかなり有名でした。(今は後継アプリとして「Kingbox」がリリースされています)
このファイルアプリがなぜミュージックアプリに分類されるかというと、このファイルアプリにYouTubeなどの動画をダウンロードする機能が搭載されているため、ミュージックアプリとして使っている方が非常に多いからです。
ファイル系ミュージックアプリとしては、以下のようなアプリが代表的なものになります。
- Clipbpx
- Kingbpox
2020年10月に著作権法が改正され処罰対象が拡大・厳格化
アーティストの音楽が著作権で守られていることはご存知だと思います。具体的には音楽コンテンツは著作権法という法律で守られています。
ご存知の方も多いかもしれませんが、2020年の10月にこの著作権法が改正されました。
リーチサイト・リーチアプリ対策2020年10月1日施行
著作物等を権利者の許諾を受けずにインターネット公開することは、著作権者の公衆送信権ないし著作隣接権者の送信可能化権を侵害する行為として違法な行為ですが、そうした侵害コンテンツにユーザーがアクセスする経路として、本サイトで紹介する違法音楽アプリをはじめとするリンク情報を集めたウェブサイトやスマートフォンアプリ(リーチサイト・リーチアプリ)が大きな役割を果たしており、音楽業界では長年問題視してきました。
一方で、リンク情報の規制は社会的影響が大きく慎重を期す必要があるとの意見も存在することから、今回の法改正では、特に悪質なリーチサイト・リーチアプリに絞り込んで規制を導入することになりました。具体的には、侵害コンテンツに殊更に誘導するリーチサイト等または主として侵害コンテンツを利用するために用いられるリーチサイト等を運営・提供する行為と、これらのリーチサイト等に侵害コンテンツのリンク情報を掲載する行為を一定要件の下で違法とし、差止請求・損害賠償請求といった民事措置の対象とする他、刑事罰(親告罪)も手当てされることになります。出典:改正著作権法について
改正著作権法の大きな変更ポイントは、以下の二点です。
- 違法音楽アプリを提供する行為は違法
- 違法にアップロードされた音楽へのリンクを、違法音楽アプリに掲載する行為は違法
つまり、「ミュージックFMのようなアプリは違法である」と、具体的に明記されたことを意味します
ミュージックFMのような違法アップロードされたコンテンツにリンクする音楽アプリを、リーチアプリ・リーチサイトと呼ばれ具体的な定義は以下のように定められています。
規制対象となるリーチサイト・リーチアプリの定義(改正法113条2項1号・2号)
- 侵害コンテンツのリンク情報の利用を促す文言が表示されていること、侵害コンテンツのリンク情報が強調されていること、その他のリンク情報の提供の態様に照らし、侵害コンテンツに殊更に誘導するものであると認められるウェブサイト・プログラム
- 提供されている侵害コンテンツのリンク情報の数・割合、侵害コンテンツのリンク情報の分類・整理状況、その他のリンク情報の提供状況に照らし、主として侵害コンテンツの利用のために用いられるものであると認められるウェブサイト・プログラム
出典:改正著作権法について
上記の改正著作権法に基づき違法とされたリードアプリの運営者には、「5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金またはその両方」が科せられることがあります。
以前までは違法アップロードコンテンツへのリンクはグレーゾーン
著作権のあるコンテンツを無許可でアップロードする行為は違法なのは言わずもがなですが、以前までは違法アップロードされた動画や音楽を紹介するサイトやアプリは明確な法律がなくグレーゾーンでした。
これらのグレーゾーンの問題を判断する上で、参考になる平成25年6月20日に判決が下された大阪地方裁判所による判例をご紹介しておきます。
この事件はXがニコニコ生放送で上半身裸でマクドナルドに入店する様子を配信し、それを視聴者の誰かがニコニコ動画にアップロードしました。その後インターネットニュースサイトのロケットニュースがこの問題を取り上げ、ニコニコ動画にアップロードした動画のリンクをサイト内で紹介しました。この行為にたいしてXがロケットニュースに著作権侵害や名誉棄損などを理由に訴えた裁判となっています。
◆著作権侵害について
まず「著作権侵害」についてのこの事件の判決では、違法にアップロードされた動画のリンクをサイトにはるだけでは著作権侵害にはあたらないとしています。
つまりiPhoneやandroidの無料で音楽が聴けるアプリというのは、直接的な著作権侵害にはあたらないと考えることができるでしょう。
◆第三者による著作権侵害を助ける不法行為について
音楽アプリが著作権侵害にはあたらないとしても、違法に音楽をアップロードした第三者の著作権侵害を助ける不法行為は違法なのでしょうか?
裁判ではこの点について、「違法にアップロードされていることが明らかでない動画であれば直ちに違法行為とすることができず、著作権侵害をしている動画であると認識した時点でサイトからリンクを削除すれば問題ない」と判決を下しています。
ポイントは「違法にアップロードされていることが明らかでない」という部分です。
ロケットニュース側にとって紹介した動画が違法アップロードされた動画であることが明らかでないため、不法行為は成立しないという判決に至っています。
ミュージックアプリの違法性・合法性について
上記でご紹介した改正著作権法の内容も踏まえた上で、「サブスク系アプリ」「YouTube系アプリ」「完全違法系アプリ」「ファイルダウンロード系アプリ」の違法性・合法性についてそれぞれ解説していきます。
またアプリを運営する側の違法性だけではなく、そのアプリを利用するユーザー側の違法性についても詳しく解説したいと思います。
サブスク系アプリ(Spotify 等)の違法性・合法性
Spotifyなど「サブスク系ミュージックアプリ」は、レコード会社と契約を締結した上で音楽を配信しているビジネスモデルなので合法です。
もちろんサービス自体が合法なので、それを利用するユーザーも違法になることはないのでご安心ください。
YouTube系アプリの違法性・合法性
YouTubeに投稿された動画を取得して配信する「YouTube系アプリ」は、改正著作権法においてもかなりグレーゾーンだと思います。
YouTubeの動画を取得すること自体は違法ではありませんが、YouTubeに違法アップロードされた動画を取得している場合はリーチアプリとして違法と判断される可能性もあります。
さらにYouTube系アプリについては、アプリを使うユーザー側も注意が必要です。
YouTube系アプリにはダウンロード機能が搭載されているアプリも多いのですが、違法アップロードされた動画と知りながらダウンロードする行為は、”2年以下の懲役または200万円以下の罰金、もしくはその両方”が科せされます。(著作権法第119条3項)
ポイントは「違法アップロードされた動画と知りながらダウンロード」という点です。YouTubeにも明らかに公式アカウントではないチャンネルが違法アップロードしていますが、
完全違法系アプリ(ミュージックFM 等)の違法性・合法性
ミュージックFMを代表とする完全違法系アプリは、間違いなく違法アプリです。
違法サイトに無断アップロードされた音楽を取得しているだけなので、これまでの法律だとギリギリ黒か白かのグレーゾーンでした。
しかし2020年10月に施行された改正著作権法によって、ミュージックFMのような違法コンテンツをリンクするサイト・アプリも違法であることが明記されました。
これらのアプリはダウンロード機能を搭載しているものが多いですが、違法と知りながらダウンロードすると”違法ダウンロード”の罪で罰せられることがあるので注意が必要です。
ミュージックFMなどは明らかに違法アプリなので、「違法であることを知らなかった」という説明では言い逃れができない可能性も高いでしょう。
ファイル系アプリ(Clipbox 等)の違法性・合法性
Clipboxなどのファイル系アプリは違法ではありませんが、YouTubeのダウンロード機能を搭載している場合はYouTubeの利用規約に違反しています。
YouTubeは動画を許可なくダウンロードすることを規約で禁止しています。
本サービスの利用には制限があり、以下の行為が禁止されています。
1.本サービスまたはコンテンツのいずれかの部分に対しても、アクセス、複製、ダウンロード、配信、送信、放送、展示、販売、ライセンス供与、改変、修正、またはその他の方法での使用を行うこと。
違法ではないので訴えられたりすることはありませんが、規約違反などでアプリが使えなくなったりApp storeから消える可能性は高いと思います。
また、Clipboxなどのファイル系アプリをYouTubeの動画をダウンロードするために使っている方も多いですが、違法にアップロードされた動画を違法と知りながらダウンロードすると、違法ダウンロードとして著作権法第119条3項で罰せられてしまいます。
YouTubeにも公式動画ではない違法動画がたくさん投稿されていますが、明らかに違法な動画をダウンロードするのは絶対にやめておきましょう。
違法ダウンロードはYouTubeの規約違反とかのレベルではなく、著作権法に反する行為として”2年以下の懲役または200万円以下の罰金、もしくはその両方“が科せられてしまいます。
ミュージックアプリの違法性・合法性についてよくある質問
ここからはミュージックアプリの違法性・合法性について、皆さんからのよくある質問について回答していきます。
Q.違法アプリとは知らずに音楽をダウンロードしていたけど違法ですか?
違法ダウンロードとして処罰されるのは、「違法アップロードされたコンテンツを違法と知りながらダウンロード」した場合です。(著作権法第119条3項)
つまり、違法アプリであることを知らなかった場合は罪には問われません。
しかし、知らなかったと言い切れば絶対に違法行為にならない訳ではなく、状況次第では違法事実を知っていたと判断されることは十分にありえます。
ただ事実認定の難しさやYouTubeを利用する不特定多数性を考えた場合、違法ダウンロードを違法行為として罰するのが難しいのもまた事実です。
ただし、だからと言って違法ダウンロード行為が許されるという訳ではありません。ダウンロードするしないに問わず、違法アプリを使うことは絶対にやめておきましょう。
Q.違法アプリでストリーミングをした場合は違法ですか?
ダウンロードは端末やクラウド内にデータを保存する行為なので、一時的に再生するだけのストリーミングは違法ダウンロードにあたらないという見解がメジャーです。
つまり、違法アプリでもストリーミングだけであれば違法ではありません。
ただしこれはあくまで一般的な見解であって、裁判官の判断によって違法とされる可能性がないとは言い切れません。
ストリーミングだから大丈夫という考えを持つのではなく、違法ミュージックアプリをどんな形であれ使わないようにしてください。
公式ストアのアプリも安全ではないのですか?
App storeやGoogle Playにあるアプリだからといって、著作権に違反していない安全なアプリとは言い切れません。
実際に今回ご紹介したミュージックFMなどの違法アプリも、App storeやGoogle Playに普通に掲載されていました。
もちろんストア側は以前よりも違法アプリを取り締まる動きは強くなっていますが、違法アプリ側も名前やアカウントを変えたりしながら審査の隙間を狙ってイタチごっこを繰り返しているのが現状です。
無料で安全に音楽を聴くおすすめの方法はありますか?
正式にアーティスト・レコード会社の許可を得て音楽を配信しているサイトには、「エルマーク」と呼ばれるマークが表示されています。
「エルマーク」を取得していて、安心に利用できる音楽配信サービスの一例をご紹介します。
- Spotify
- Amazon Music
- LINE MUSIC
- Apple Music
- AWA
- KKBOX
- Rakuten Music
- Rec Music
- YouTube Music
アプリ名 | 無料プランの有無 | 無料プランの制限 |
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上記でご紹介したサブスク系ミュージックアプリの無料プランを使うのが、無料で音楽を聴くなら一番安全でおすすめの方法です。
個人的にはシャッフル再生しかできない制限はあるもののフルで楽曲を再生することができる、「Spotify」か「Amazon Music」の無料プランが特におすすめです。
最後に
今回はミュージックアプリの違法性・合法性について、最新の改正著作権法も踏まえた上で解説をさせていただきました。
もし記事の中で分からないことがあれば、気軽にコメントで質問していただけたらと思います。
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